FAQ

FAQ

3次元培養法とは何ですか。どのような利点があるのですか。

3次元培養法には、培養担体を用いた培養法と、旋回培養による微小重力下での培養法等があります。 通常の培養皿を用いた2次元で行う培養と比較し、3次元培養では細胞が持つ組織形成能を顕在化することができます。また、3次元培養法を用いると、細胞の機能を高く維持することが可能であるため、より生体内に近い状態で実験を行うことができます。 これらの利点を応用して、3次元培養法は、各種細胞の機能解析や組織工学等に広く用いられています。

PuraMatrix™とコラーゲン等、他のscaffold材との類似点あるいは相違点は何ですか。

類似点としては、PuraMatrix™が、他のscaffold材と同様に、細胞分化の研究や、組織工学研究において多くの細胞種の培養に応用することが可能です。 相違点は以下です。まず、PuraMatrix™は人工合成製品であるため、動物由来のScaffoldと異なりBSE等感染の懸念が有りません。また、合成製品であるためロット差もありません。更に、他の人工scaffoldと比較しても、PuraMatrix™は柔らかいハイドロゲルであるため、細胞にとってより適した環境を提供できるという特長があります。

マテリアルについて

PuraMatrix™のペプチドの分子量はどのくらいですか。

約1700となっております。

実験法について (In vitro, In vivo)

なぜセルカルチャーインサートを使うのか。通常はどんな目的で使われているのですか。

PuraMatrix™ゲルを形成しているのはペプチド同士の非共有結合である為、ゲル作成時はわずかな圧力(たとえば水流)などによってもゲルが崩れてしまう可能性があります。セルカルチャーインサートを用いると、透過性のメンブレンから緩やかにメディウムを浸透させることができ、均一できれいなゲルを作製出来ます。また、セルカルチャーインサートを用いると、メディウムチェンジも簡単に行え、ゲルを崩してしまう心配がありません。そのため、特にPuraMatrix™を初めて使用される方には、この方法をお勧めしております。
またセルカルチャーインサートは通常、上部と下部に異なる細胞を培養する際や、細胞由来の液性成分の解析などに使用されています。

超音波処理は何のために行うのですか。

PuraMatrix™水溶液サンプル中の、一部のペプチドは水溶液の低pH存在下、および塩の非存在下でもわずかに自己組織化しています。この結合を実験前に完全にはずし、水溶液の粘性を下げ、ハンドリングを行いやすくするために超音波処理を行います。また、超音波処理にはサンプルを脱気する効果もあります。気泡が入るとゲル作成時にゲルが壊れやすくなるので、気泡の混入を防止するためにも有効です。

PuraMatrix™に混合する細胞濃度は決まっているのですか。

プロトコールでは1x106個/mlを推奨しておりますが、特に制限はありません。ただし、あまり細胞数が多すぎると混合が煩雑になったり、ゲルがうまく固まらないことがあります。

10%スクロース液を使用するのは何故ですか。

10%スクロース溶液は、塩の非存在下で細胞操作を行なう際に生体内(細胞)とほぼ等浸透圧にする目的で使用します。

PuraMatrix™ゲルから細胞だけを取り出すことができませんが、どういう方法がいいですか。

細胞回収のプロトコールを用意しておりますが、現在鋭意検討中です。しかし他の各種解析は、通常通り出来ます。

サイトカインを使用する際、PuraMatrix™ゲル内にサイトカインは浸透するのですか。

多くのサイトカインはゲルの網目より分子量が小さいので、メディウムと一緒にゲル内に浸透します。また、PuraMatrix™をゲル化させる前に混ぜる方法もございますが、PuraMatrix™水溶液は、始めはpH3であるので、その点をご注意ください。

サイトカイン、接着因子などを混合する場合はこれらが低pHの影響を受けやすいので、中性にしてからがいいと思うのですが実際はどの段階で混ぜるのでしょうか。

接着因子に関しては当社プロトコールをご参考ください。サイトカインに関してはメディウムに混合しておけば、ゲル内にメディウムと共に浸透します。低pHによる影響を受ける因子につきましては、現在対策を検討中です。

PuraMatrix™はコラーゲンゲルのように温度でゲル化速度などを調節する事が出来るのですか。(4℃で溶け、温度を上げることでゲル化させることができるのか)

PuraMatrix™は、pHと塩濃度に依存してゲル化し、物性は温度にあまり依存しません。

培養中のゲルの分解は何によっておこるのですか。

PuraMatrix™のゲルは二つの経路で分解されます。
一つ目の経路として、当マテリアルはRADAの配列ですが、隣同士のペプチド分子のR-Dのイオン結合、A-Aの疎水結合によりβシート構造をつくりナノファイバーを形成しております。このファイバーの崩壊=ゲルの分解であり、崩壊の原因の大部分がR-D、A-Aの結合が外れることに寄与しています。
二つ目は、培地内の酵素による加水分解です。
一つ目の経路が主であるため、血清の入っていない培地(PBSなど)でゲルを作成した場合でも、時間の経過とともにゲルは分解します。 また、マクロには、物理的な刺激によってゲルが断片化します。これによって分解が促進されると思われます。

pH3のPuraMatrix™水溶液をそのままvivoに注入したら炎症を起こすのではないですか。

動物モデルを使用した筋肉内埋植実験においては、組織に重度の炎症がみられませんでした。

実験法について (解析)

細胞の生存率を見るにはどうしたらいいですか。

プロトコールに沿って細胞を回収し、トリパンブルー染色することで、セルカウントを行うことができます。

通常の2D培養とPuraMatrix™を用いた3D培養でのタンパク発現の差を解析したいのですがどのような方法があるのでしょうか。

免疫染色法をお試しください。また、ディッシュ上の細胞を回収してウェスタンブロット法で比較することでタンパク発現を比較できます。

ウエスタンブロッド法や免疫染色はPuraMatrix™が混入したままでも可能ですか。

PuraMatrix™が混入したままでもこれらの解析は可能です。但し、免疫染色においては、一次抗体の非特異的吸着によりバックグラウンドが高くなる事があるので、高濃度の抗体・長時間の洗浄をすることによって良好な結果を得ることができます。(当社の免疫染色プロトコールをご参照ください)

このペプチドは皮膚浸透するのでしょうか。

皮膚に浸透する分子量は分子量600程度までといわれています。PuraMatrix™ペプチドは、分子量が約1700であるため、皮膚に浸透するサイズではありません。

どうしたらゲル硬度を上げることができますか。

PuraMatrix™濃度を上げることで、ある程度まで硬いゲルを作成することができます。

PuraMatrix™はヒト臨床に使えますか。

本製品は米国ならびに国内において医療機器の承認申請を計画しておりますが、現段階でPuraMatrix™は研究用試薬であり、MTAにおいて提供されたサンプルは、臨床試験を含むヒトへの使用の全てを禁止しております。